目視だけで大丈夫ですか?在留カード等読取アプリケーションの実務的な使い方

在留カード等読取アプリケーションの実務的な使い方

外国人材を採用・雇用している企業にとって、在留カードの確認は必須の実務です。

とはいえ、

  • 見た目は問題なさそう
  • 毎回同じ社員だから大丈夫
  • 期限だけ確認して終わり

このような運用になっていないでしょうか。

近年は在留カードの偽造・変造が巧妙化しており、目視確認だけではリスクを完全に排除できないのが実情です。

そこで今回は、出入国在留管理庁が公式に提供している「在留カード等読取アプリケーション」について、人事実務の視点から分かりやすく解説します。


在留カード等読取アプリケーションとは?

このアプリは、

  • 在留カード
  • 特別永住者証明書

に内蔵されているICチップの情報を読み取る公式アプリです。

アプリでできること
  • ICチップ内の情報(氏名・生年月日・在留資格・在留期間・顔写真など)を読み取り
  • その内容を画面上に表示
  • 券面に印字されている内容と照合することで、偽変造の疑いを確認

ポイントは、「券面」と「ICチップ」の一致を確認できる点にあります。


なぜ人事担当者にとって重要なのか

① 採用時の確認を「より確実」にできる

外国人を採用する際、在留カードの確認は必須です。
しかし、券面の見た目だけでは判断できないケースも増えています。

このアプリを使えば、

  • ICチップの情報と券面の記載が一致しているか
  • 顔写真に不自然な違いがないか

客観的に確認できます。 ※ 利用時は、他の身分証確認と同様、本人の同意を得た上で行う必要があります。

② 不法就労リスクへの備えになる

企業が知らないうちに在留資格外の外国人を雇用してしまった場合、不法就労助長罪が問題となる可能性があります。

公式アプリを利用して確認していれば、

  • 企業として必要な確認を行っている
  • 管理体制が整っている

ことを説明しやすく、コンプライアンス強化にもつながります。


「失効情報照会」との併用が実務では重要

このアプリで分かるのは、
「カード自体が真正かどうかです。

一方で、その在留カードが現在も有効かどうかを確認するには、在留カード等番号失効情報照会を併用する必要があります。

そのため、読取アプリでカードの真正性確認、失効情報照会で有効・失効の確認の 両方で確認して初めて安心と言える運用です。


導入は難しい?利用環境について

対応OS
  • Windows 11
  • macOS 13以降(Apple M1以降)
  • Android 12以降
  • iOS 16以降

iPadは非対応です。

準備するもの
  • パソコン利用の場合
    → 非接触型ICカードリーダライタ(拡張APDU対応)
  • スマートフォン利用の場合
    → NFC Type B対応端末(追加機器不要)

特別なシステム開発は不要で、無料で導入できる点も大きなメリットです。


まとめ

在留カード等読取アプリケーションは、

  • 出入国在留管理庁が公式に提供
  • 無料で利用可能
  • 人事実務に直結するツール

という点で、外国人雇用を行う企業にとって非常に有用です。

トラブルが起きてから対応するのではなく、「起きないための確認」として、ぜひ導入・活用を検討してみてください。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。
具体的な事案については、専門家へのご相談をおすすめします。

【人事担当者向け】在留資格制度は変化のうねりの中に

―― 閣議決定にみる、外国籍従業員管理の新たな責任とは

近年、外国人材の活用は、多くの企業にとって不可欠な経営課題となっています。
一方で、政府はこのたび、「外国人の受入れ・秩序ある共生社会の実現」に向けた総合的対応策を閣議決定し、在留資格制度の運用を見直す方針を明確にしました。

本記事では、特に企業の人事担当者に直接影響する「在留資格」に関するポイントに絞って解説します。


在留資格は「形式審査」から「実質審査」へ

今回の閣議決定の最大の特徴は、在留資格の審査・更新・取消について、実質的なチェックを強化する方向性が明確になった点です。

具体的には、

  • 税金・社会保険料の納付状況
  • 医療費不払の有無
  • 法令・ルール遵守状況

といった情報を、関係機関間で連携し、在留審査に活用するとされています。

これは、

      過去に許可を受けたから問題ない、という従来の感覚が通用しなくなること

を意味します。


企業の管理状況が、在留資格に影響する時代へ

特に人事担当者が留意すべき点は、
外国籍従業員本人だけでなく、企業側の管理体制も在留資格審査の前提になるという点です。

例えば、

  • 適切な雇用契約が締結されているか
  • 実態と異なる業務に従事させていないか
  • 社会保険への適正加入がなされているか
  • 在籍管理・勤務実態が説明できるか

といった事項は、今後、在留資格の更新不許可・取消リスクに直結し得ます。

特に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」など、企業が主体的に受け入れる在留資格では、企業側のコンプライアンスがより厳しく問われることになります。


特定技能は「人数管理」が本格化

報道等によれば、政府は2028年末までに、

  • 特定技能:約80万人
  • 育成就労:約42万人

という受入れ人数の上限を設定する方針です。

これは、特定技能が「必要な人数だけ、管理された形で受け入れる在留資格」であることを明確にしたものです。

これまでも受け入れ上限は設定されていましたが、都度引き上げられ、実質的に機能していない側面もありました。
一方、今後は厳格に人数の上限管理がなされる可能性があります。
人事担当者としては、このような状況を念頭に人材育成・配置・評価を行う必要があります。


日本語能力・制度理解も審査対象に

今回の閣議決定では、

  • 日本語能力
  • 日本の制度・ルールの理解

について、在留審査(永住審査を含む)の要素とすることを検討するとされています。

これは、単に業務ができれば足りるのではなく、

  • 職場ルールの理解
  • 法令遵守意識
  • 社会的な適応状況

まで含めて評価される方向性を示しています。

企業としても、外国籍従業員への日本語教育・ルール周知を「福利厚生」ではなく「リスク管理」として捉える必要があるでしょう。


人事担当者に求められる視点の転換

今回の閣議決定を踏まえると、今後の人事実務では、

  • 在留資格を「本人任せ」にしない
  • 在留期間・資格内容を常に把握する
  • 業務内容変更時は在留資格への影響を確認する
  • 問題が起きてからではなく、予防的に管理する

という姿勢が不可欠になります。

在留資格は、もはや入社時の手続で終わるものではなく、継続的に管理すべき労務リスクと位置付けるべき段階に入っています。


まとめ

今回の閣議決定は、
外国人材の受入れを否定するものではありません。

むしろ、

  • 受け入れる人数を管理し
  • 在留中のルール遵守を重視し
  • 企業と本人の双方に責任を求める

という、成熟した受入れ制度への転換といえます。

外国籍従業員を雇用する企業にとって、在留資格管理は「法務・人事の専門領域」ではなく、経営リスク管理の一部として位置付けることが、今後ますます重要になるでしょう。

2026年度からの査証・在留資格関連手数料引き上げ方針についての報道

複数のメディアにおいて、「政府が2026年度から外国人に対する査証(ビザ)の発行や在留資格の更新・変更にかかる手数料を大幅に引き上げる方針を固めた」と報じられています。

報道によれば、政府は現行の手数料水準から最大で5倍程度への引き上げを検討しており、これに加えて国際観光旅客税(出国税)の引き上げも検討しているとのことです。

本稿では、このような政府方針に関する報道を前提として外国人採用を進める企業の人事担当者が知っておくべきポイントを整理します。


ポイント整理

今回の報道の要点は次のとおりです。

  • 政府は外国人向けの査証発行手数料の大幅引き上げ(最大5倍程度)を検討している。
  • 在留資格の更新・変更手数料についても同様の引き上げが想定されている。

なお、現時点では政府の正式な確定内容ではなく、あくまで「方針・検討段階の報道」である点に留意が必要です。


人事担当者が押さえておくべき実務上の影響

人事実務に直接影響が及ぶ可能性がある点を整理すると次のようになります。

(1) 査証(ビザ)発行手数料の増加

企業が外国人労働者を採用する際、新規入国のためのビザ発行費用が引き上げられば、採用時のコスト負担は増える可能性があります。

手数料が引き上げられる対象・金額の具体版は明らかになっていませんが、採用計画・予算立案において手数料負担の増加を見込んだ計画づくりが必要です。

(2) 在留資格の更新・変更手数料引き上げ

外国人社員については、在留資格の更新手続きが定期的に発生します。また、外国籍の新入社員を雇用する場合は、在留資格変更手続きを行う必要があります。
手数料の引き上げが実行されれば、更新・変更のたびに企業ないし本人の負担が増える可能性があります。

そのため、

  • 在留期限のスケジュール管理
  • 更新/変更のタイミングの適切な把握

といった実務対応が重要になります。


今からできる準備

報道を受けて、人事部門として検討・準備しておくべき事項として、次の点が挙げられます。

3-1. 外国人雇用コストの見直し

査証・在留資格関連の費用負担をこれまで企業負担としていた場合、手数料引き上げを想定した予算計画の見直しが必要です。
費用負担の慣行(本人負担か企業負担か)を明確にし、将来的な増加分を見込んだ試算を行うことが求められます。

3-2. ビザ・在留手続きスケジュールの管理強化

外国人社員ごとに

  • 在留期限
  • 更新・変更の必要時期

を正確に把握し、改正前後の手続きタイミングを最適化する体制構築が望まれます。

3-3. 社内外の情報収集体制

報道は方針段階の情報にとどまっているため、今後政府・法務省・出入国在留管理庁等からの制度改正情報をリアルタイムで把握する体制が重要です。法令・告示・通知等の改正内容が公表された段階で、速やかに社内に周知・対応することが求められます。


行政書士の視点から

政府の方針として手数料引き上げが報じられたことで、外国人雇用にかかる実務的負担やコストが変化する可能性が高まっています。今後、法令・政令レベルでの確定情報が示されるまでの間も、社内での影響試算やリスク整理を進めることが有益です。

また、実務対応面では、外国人社員の在留管理を適切に行うことが、結果として手数料負担の最適化につながる可能性があります。制度改正の動きと実務対応の両面を注視しながら、社内体制を整備していくことが重要です。

【重要】在留申請オンラインシステム利用時の注意点

マイナンバーカード有効期限と特例期間の関係について

在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請を在留申請オンラインシステムにより行う外国人の方に向けて制度変更に関する重要なお知らせです。


制度変更の概要

令和8年(2026年)1月以降、利用者区分が「外国人本人」の場合、次の条件に該当すると、在留申請オンラインシステムを利用した資料提出ができなくなります。


オンラインで資料提出ができなくなるケース

以下のすべてに該当する場合です。

  1. 在留期間更新許可申請
     または
     在留資格変更許可申請を行っていること
  2. 在留期限を経過し、特例期間に入っていること
  3. 在留期限までに、マイナンバーカードの有効期限延長手続を行っていないこと

この場合、オンラインシステムによる追加資料の提出が不可となります。


利用できる機能・できない機能

特例期間中であっても、次の機能は利用可能です。

  • 在留申請オンラインシステムへのログイン
  • 申請状況の照会

一方で、次の機能は利用できません。

  • オンラインによる資料の追加提出

制度の背景

在留申請オンラインシステムは、有効なマイナンバーカードによる本人確認を前提として運用されています。

そのため、

  • マイナンバーカードの有効期限が満了している状態
  • かつ、在留期限経過後の特例期間に入っている状態

では、新たな申請行為に該当する資料提出をオンラインで行うことが制限される仕組みとなっています。


実務上の注意点

入管からの追加資料提出の指示は、特例期間中に行われることが少なくありません。

しかし、上記の条件に該当すると、

  • オンラインでの提出ができず
  • 紙での提出に切り替える必要が生じる

など、手続の遅延や負担増につながるおそれがあります。


事前対応の重要性

このような事態を防ぐためには、 在留期限が到来する前に、マイナンバーカードの有効期限延長手続を行うことが非常に重要です。

事前に対応しておくことで、特例期間中においても、オンラインでの資料提出が可能となる余地が確保されます。


まとめ

  • 令和8年1月以降、運用が変更されます
  • マイナンバーカードの有効期限管理が、オンライン申請の継続利用に直結します
  • 有効期限を延長しないまま特例期間に入ると、
    オンラインで資料提出ができなくなります

在留手続を円滑に進めるためにも、マイナンバーカードの有効期限の確認と早めの延長手続を心がけましょう。

なお、弊社では、在留期間更新申請・変更申請の取次サービスを提供しています。お気軽にご相談下さい。

永住許可要件の見直し報道―外国人社員の「定着支援」を行う企業が注視すべき動き-

近年、少子化や慢性的な人手不足を背景に、外国人社員に長期的に定着して勤務してもらうことを重視する企業が増えています
こうした企業の中には、就労系の在留資格で勤務する外国人社員について、将来的に在留期限のない永住許可への切替を見据えた支援を行っているところも少なくありません。

そのような中、政府が検討している外国人政策の基本方針をめぐり、永住許可申請の要件が今後、厳格化される可能性があると読売新聞オンラインが報じています。
外国人材の長期雇用や定着を人事戦略の柱とする企業にとって、見過ごせない動きと言えます。

(画像はイメージです)


同紙によれば、政府は在留管理の適正化の一環として、永住許可の要件に日本語能力を新たに加えることや、一定の収入基準を明確に設定することを検討しているとされています。
これまで永住許可の審査では、在留期間、素行、安定した生計の維持などが総合的に判断されてきましたが、今後は「日本社会で自立的に生活できるか」という点が、より具体的な基準で評価される可能性があります。

この見直しが実現した場合、企業が支援してきた永住許可申請のハードルが上がる可能性があります。
特に、日本語能力については、日常業務に支障がないレベルにとどまらず、一定水準を客観的に示すことが求められることも想定されます。
そのため、企業側にとっては、外国人社員向けの日本語研修や評価制度を、永住申請を意識した形で再検討する必要が生じるかもしれません。

また、収入基準が明確化されれば、処遇や昇給のタイミングが、永住許可取得の可否に直接影響する場面も考えられます。
外国人社員のキャリアパスを設計する際、単に業務上の評価だけでなく、「将来的に永住許可を取得できるか」という観点を含めた説明や支援が、これまで以上に重要になる可能性があります。

さらに、読売新聞では、日本語や日本の法制度・文化を学ぶためのプログラムを創設し、永住許可や在留資格の審査時に受講を求める案も検討されていると報じています。
これは、企業が行ってきた定着支援やオンボーディング施策と重なる部分も多く、今後は企業の支援と公的制度との関係性を意識した対応が求められる局面が出てくると考えられます。

現時点では、これらはあくまで政府方針案の段階であり、具体的な基準や運用は今後の正式決定を待つ必要があります。
しかし、外国人社員の永住取得を前提とした雇用・定着戦略を取っている企業にとっては、制度変更の方向性を早期に把握し、社内制度や支援内容を見直す重要なタイミングに差しかかっていると言えるでしょう。


引用元

外国人労働者の採用、課題は依然として明確

――コミュニケーションと教育、そして定着がカギに

帝国データバンクが2025年8月に実施した「東京都・外国人労働者の雇用・採用に対する企業の動向調査」によると、外国人労働者の採用を拡大または新たに開始する意向を持つ企業は13.2%となり、前回(2024年2月)の17.3%から4.1ポイント減少しました。
採用意欲は一時期の上昇傾向からやや落ち着きを見せている
ようにも見受けられます。


コミュニケーションと教育が最大の課題

調査結果では、外国人雇用における課題として

  • 「コミュニケーション」(53.1%)
  • 「スキルや語学などの教育」(51.7%)

が最も多く挙げられました。
続いて、「継続性・定着」(39.2%)や「社風・業務内容への適応」(36.4%)も多く、外国人の方が長く安定して働ける環境づくりが企業側の重要なテーマとなっています。

外国人の採用は「人手不足の解消」という即効的な効果をもたらしますが、実際の雇用継続には職場内での理解促進・教育体制の整備・相互の信頼関係が欠かせません。特に「定着」は今後さらに注目すべき課題と言えます。


在留資格管理は企業の法的責任

外国人を雇用する際には、在留資格の内容確認と管理が非常に重要です。
在留資格と業務内容が一致していない場合、企業側にも法的責任が及ぶおそれがあります。
たとえば、特定技能、技術・人文知識・国際業務など、在留資格ごとに従事できる業務範囲が明確に定められています。

適切な管理を怠ると、罰則や行政指導の対象になる可能性もあるため、採用前の確認と継続的な管理が不可欠です。


専門家への相談で安心・安全な雇用を

在留資格や就労ルールは複雑であり、更新手続きや制度変更への対応も求められます。
自社だけで対応するには限界があるため、行政書士など外国人雇用に精通した専門家へ相談することをお勧めします。

当社では、

  • 外国人雇用に関する在留資格確認・取得支援
  • 就労内容の法的整合性チェック

などを行っております。
外国人雇用に関する不安や疑問がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。

令和8年1月施行 在留申請オンラインシステム改修の概要と実務対応のポイント

はじめに

出入国在留管理庁(入管庁)は、令和8年(2026年)1月に「在留申請オンラインシステム」及び「電子届出システム」の抜本的改修を実施することを正式に公表しました。
今回の改修は、これまでの利用者アンケート等で寄せられた多数の要望を反映し、利用者がより使いやすく効率的に申請できるよう設計された大規模なシステム刷新です。

本稿では、令和7年11月3日付で公表された最新情報をもとに、改修内容の全体像と、企業人事としての実務対応ポイントを体系的に解説します。


改修の背景と目的

在留申請オンラインシステムは導入以降、企業・所属機関・外国人本人によるオンライン申請の利便性向上を目的として運用されてきました。しかし、実際の利用現場からは「添付データ容量の不足」「入力途中の保存ができない」「紙申請との不整合」などの課題が指摘されており、今回の改修はこれらを一挙に解消するために実施されるものです。

改修後は、在留申請オンラインシステムと電子届出システムの統合的運用が進み、オンライン手続の完全デジタル化に向けた大きな一歩となります。


主な改修内容(共通部分)

(1)添付資料関連の改善
項目現行改修後
添付可能ファイル数1ファイルのみ複数ファイルの添付が可能
添付可能データ容量最大10MB合計25MBに拡大(顔写真含む)

従来は提出資料を一つのPDFにまとめる必要がありましたが、改修後は複数資料の個別添付が可能となり、作業効率が大幅に向上します。

(2)申請入力の利便性向上
  • 入力途中の一時保存機能を新設
     入力途中のデータをCSVファイルとして一時保存し、後日アップロードして続きから再開可能になります。
  • 紙の申請書と項目名・順序を統一
     これまで異なっていたオンライン画面と紙書類の項目構成を一致させ、入力ミス防止と分かりやすさを改善。
  • 金額単位の統一(円)
     10千円/30万円などバラついていた単位を「円」に統一。
  • エラー表示の改善
     一括申請テンプレートで、エラー箇所の詳細が即座に確認できるようになり、修正作業が容易になります。

(3)申請内容の確認機能を追加

申請送信後に入力内容および添付資料を確認可能になります。
現行では送信後に閲覧できず、控えの保存が必須でしたが、改修後はオンライン上で確認でき、企業としての記録管理が容易になります。

(4)一括申請テンプレートの拡充
  • 区分「T」(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)を新設
  • 「資格外活動許可申請」「就労資格証明書交付申請」「再入国許可申請」を同時に行えるテンプレートを追加

これにより、同一外国人の複数申請を一括で処理できるようになり、企業の事務負担軽減が期待されます。


所属機関等(企業側)に関する変更点

(1)利用者IDの有効期間延長
  • 現行:1年
  • 改修後:3年(令和8年1月以降に新規申出・定期報告が承認された機関が対象)

これにより、毎年の更新業務が不要となり、安定的な運用が可能になります。

(2)利用申出・定期報告のオンライン化

従来は「窓口持参または郵送」のみでしたが、改修後はオンライン提出が可能になります。
企業側の事務負担軽減と処理期間の短縮が見込まれます。


外国人本人に関する変更点

(1)システム共通IDの導入

従来は在留申請オンラインシステムと電子届出システムで別々にIDを取得する必要がありましたが、改修後は同一IDで両システムを利用可能となります。
(※所属機関の職員については引き続き別IDが必要です。)

(2)マイナンバーカード認証の簡素化

ICカードリーダが不要となり、スマートフォンの「マイナポータルアプリ」による認証が可能になります。
これにより、より柔軟な環境での本人確認が実現します。
(ただし、申請操作は推奨デバイス〔PC等〕での利用が基本とされています。)


企業人事担当者が留意すべき実務対応

(1)過去申請データの保存

令和7年12月以前の申請案件は、改修後の画面で表示されなくなります(申請中案件を除く)。
したがって、改修前に「申請情報一覧画面」を印刷または保存し、申請履歴を自社で管理する必要があります。

(2)システム移行期の申請計画

12月〜1月にかけての申請は、システム切替による遅延・再提出リスクに注意が必要です。
在留期間満了が近い人材については、早期の申請準備を推奨します。

(3)内部フロー・権限管理の見直し

ID有効期間の延長に伴い、担当者異動時のID引継ぎルールを整備することが重要です。
また、一時保存機能の導入により複数担当者が同一案件に関与するケースが増えるため、操作権限や確認プロセスの明確化が求められます。


まとめ

令和8年1月の改修は、在留申請オンラインシステムの利便性を大幅に高めるものであり、企業の入管実務における業務効率化とデジタル化の進展が期待されます。
一方で、システム移行期には申請情報の消失や操作混乱のリスクも伴うため、

  • 過去データの保全
  • 新システム対応の社内ガイドライン整備
  • 申請スケジュールの前倒し対応

を早急に進めておくことが肝要です。

出入国在留管理庁による新システム操作マニュアル(令和7年11月頃掲載予定)を確認しつつ、企業の外国人雇用管理体制をアップデートしていくことをお勧めします。

【2026年6月14日開始】新しい「特定在留カード」とは?

マイナンバーカード一体化で変わる手続と取得のポイント

2026年6月14日から「特定在留カード」および「特定特別永住者証明書」(以下、「特定在留カード等」といいます。)制度が導入されます。
この「特定在留カード等」は、これまで別々だった在留カード等とマイナンバーカードの機能を1枚にまとめた新しいカードです。

本記事では、制度の背景、機能、メリット、取得方法、対象者などをわかりやすく解説します。


特定在留カードとは?

特定在留カードとは、

  • 在留カード
  • マイナンバーカード(個人番号カード)

この2つの機能を 1枚のカードで併せ持つ 新しい仕組みに基づくカードです。
特別永住者については、同様に特定特別永住者証明書が交付可能となります。
このカードは法令上、マイナンバーカードとして扱われるため、マイナポータル利用や健康保険証(マイナ保険証)、マイナ運転免許証の機能も利用できます。


なぜ導入されるのか ― 制度改正の背景-

現在、在留カードとマイナンバーカードの手続は、

  • 在留カード:地方出入国在留管理局
  • マイナンバーカード:市区町村

と別々に行う必要があります。

そのため、外国人の手続負担が大きいという課題がありました。
今回の法改正は、在留に関する情報とマイナンバー関連の情報を一元管理し、利便性向上と行政手続の効率化を図ることを目的とするものです。


特定在留カードを取得するメリット

■ 手続きの一元化で負担が軽減

たとえば入管で

  • 在留期間更新
  • 在留資格変更
  • 住所以外の記載事項変更
    を行った際、これまでは別途市区町村に行ってマイナンバーカードの情報更新が必要でした。

しかし、特定在留カードを取得すれば、入管での手続によりマイナンバー情報も自動更新され、市区町村での追加手続が不要になります。
これにより、国人本人にかかる負担は大幅に低減されます。

■ マイナ保険証・マイナ運転免許証として利用可能

マイナンバーカードと同様に

  • 医療機関の保険証
  • 運転免許証(別途書き込み手続が必要)として利用することができます。


取得は義務?対象者は?

■ 取得は「任意」

在留カードとマイナンバーカード2枚を持ち続けることも可能です。

■ 申請できる人
  • 住民基本台帳に記録された中長期在留者
  • 特別永住者


どこで申請できる?必要書類は?

■ 申請先

地方出入国在留管理局
または
市区町村窓口(住所届出とみなされる届出をする場合)

■ 申請できるタイミング(特定在留カードの場合)

以下の入管での手続に併せて申請可能

  • 在留期間更新
  • 在留資格変更
  • 永住許可申請
  • 在留カード再交付(汚損・紛失・交換希望) など

以下の市区町村での手続に併せて申請可能

  • 住所届出(住民登録)
  • 転入届・転居届
  • 在留資格変更に伴う住居地届出
■ 必要書類
  • 特定在留カード等交付申請書
  • 暗証番号等設定依頼書
  • 写真1枚
    (様式は後日公表予定)


カードの記載事項 ― 何が変わる?

特定在留カードには以下の事項が記載されます。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍・地域
  • 住居地
  • 在留資格
  • 在留期間満了日
  • 在留カード番号
  • 在留カード有効期間
  • 就労制限の有無
  • 資格外活動許可の有無
  • マイナンバー(裏面)

一方、以下の情報はICチップ内部のみ記録され、券面には表示されません:

  • 在留期間(年数)
  • 許可の種類・許可年月日
  • 在留カードの交付年月日


新しい在留カード(特定在留カード以外)も変更されます

特定在留カードを取得しない場合も、2026年6月14日以降は新様式の在留カード・特別永住者証明書が交付されます。

主な変更点
  • 記載事項の一部が券面からチップ記録へ移行
  • 永住者等の有効期間が「7回目の誕生日」→「10回目の誕生日」に延長
  • 1~16歳未満の子どもにも顔写真表示(マイナンバーカードと同様)


よくある質問(抜粋)

■ 空港で特定在留カードは受け取れる?

受け取れません。新規上陸時は従来どおり「在留カード」の交付となります。

■ 在留申請オンラインシステムから申請できる?

当面は不可。窓口での手続が必要です。

■ 交付にはどのくらい時間がかかる?

通常の在留カードよりおおむね10日ほど長くかかります。

■ 紛失した場合は?

マイナンバー関連の停止手続と、在留カード(または特別永住者証明書)の再交付申請が必要です。


弊社でのサポート

弊社では、以下の手続についてサポートが可能です。

  • 在留期間更新・在留資格変更
  • 永住許可申請
  • 在留カード再交付
  • 特定在留カード等交付申請(入管手続と併せて)
  • 企業向け外国人雇用管理の相談

制度開始前後は窓口が混雑することが予想されます。手続内容や要件の確認など、お困りの方はお気軽にご相談ください。


まとめ

2026年6月14日に運用開始される特定在留カード等制度は、外国人の方々の行政手続きを大幅に簡素化する大きな制度改正です。
マイナンバーカードとの一体化は、日常生活の利便性向上にもつながります。

制度内容は今後変更される可能性がありますので、最新情報を確認しながら、適切なタイミングでの申請をご検討ください。

在留資格「経営・管理」に日本語能力が必要?―新基準の内容と求められるレベルとは

2025年から、在留資格「経営・管理」の認定に新たな基準が加わりました。
それは、「申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有すること」です。

この記事では、この「相当程度の日本語能力」とはどのくらいのレベルを指すのか、そしてどのように証明すればよいのかを、分かりやすく解説します。


Q1:どの程度の日本語能力が求められるのですか?

A:文化庁が示す「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上の日本語能力が求められます。

この「B2相当」とは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のB2に対応するレベルであり、「日本語を使って社会生活やビジネス上のやり取りを自立して行える程度」の能力を意味します。

Q2:「B2相当」って、具体的にどんなレベルですか?

A:B2レベルは、中上級レベルの日本語運用能力を示します。文化庁の「日本語教育の参照枠」では、次のように定義されています。

B2レベルのCan do(例)

  • 日常生活や職場で発生する多くの状況に適切に対応できる。
  • 自分の専門分野や関心のあるテーマについて、明確かつ詳細に説明できる。
  • 日本人との会話でも誤解なく意思疎通ができ、議論や交渉もある程度こなせる。
https://www.nihongo-ews.mext.go.jp/information/framework_of_reference

つまり、「日本語を使って事業を運営・管理する上で支障がない程度」の力が必要です。
ビジネスの実務や役所手続、取引先との打合せなどで日本語が使える水準が想定されています。

Q3:どのように日本語能力を証明すればよいですか?

外国人経営者や職員の場合、以下のいずれかの方法で日本語能力を証明できます。

試験による証明
  • 日本語能力試験(JLPT)N2以上の認定を受けていること
  • BJTビジネス日本語能力テスト400点以上を取得していること
経歴による証明
  • 日本に20年以上在留していること
  • 日本の大学・専門学校を卒業していること
  • 日本の義務教育を修了し、高校を卒業していること

これらの場合は、合格証明書、卒業証明書、住民票等を提出して証明します。

Q4:経営者本人が日本語を話せなくても大丈夫ですか?

はい。「申請者または常勤職員のいずれか」が条件を満たしていればよいとされています。
つまり、経営者本人が外国語話者であっても、常勤の日本人スタッフや日本語堪能な社員がいる場合は認められる可能性があります。

ただし、申請書(所属機関作成用1)の「日本語能力の有無及びその内容」欄には、「経営者がN2認定を受けている」「日本人社員を雇用している」など、具体的な内容を明記する必要があります。

Q5:「日本語教育の参照枠」って何ですか?

「日本語教育の参照枠」は、文部科学省が策定した日本語能力の共通基準です。
日本語を6段階(A1〜C2)に分け、それぞれのレベルで「どんなことが日本語でできるか(Can do)」を示しています。

この枠組みにより、日本語力を試験の点数ではなく、実際の行動や能力で評価できるようになりました。

Q6:なぜ日本語能力が基準に追加されたのですか?

これまで「経営・管理」の在留資格では、形式的に会社を設立しても、日本語が全くできず事業が実態を伴わないケースが問題視されていました。

そのため、入管庁は、「経営者が実際に日本で事業を運営できるか」を判断する一要素として、日本語能力を基準に加えたのです。これは「実質的な経営活動の確保」を目的としています。

まとめ ― 経営者には“実務レベルの日本語力”が必要に

在留資格「経営・管理」の新基準では、形式的な会社設立だけでなく、日本語でのコミュニケーション能力も重要な審査ポイントになります。

ポイントまとめ

  • 求められる日本語力は「日本語教育の参照枠」B2相当(JLPT N2程度)
  • 経営者本人または常勤職員のいずれかが条件を満たせばOK
  • 証明は試験合格証、卒業証、在留記録などで可能
  • 実際に日本で事業を運営できる体制を整えておくことが重要

在留資格「留学」から就労の在留資格への変更手続き:企業の人事が押さえるべき最新ポイント(2025年版)

外国人留学生の新卒採用が増える中、企業の人事担当者にとって「留学」から就労系在留資格へのスムーズな変更は、採用計画の成否を左右する重要なテーマです。
出入国在留管理庁は毎年1〜3月に申請が集中するため、審査遅延が発生しやすいと注意喚起を行っており、さらに2025年12月1日から提出書類の省略要件が拡大します。

本記事では、人事担当者が把握すべきポイントを整理しました。


書類不備・申請遅れは内定者の就労開始に直結するリスク

毎年、4月入社を希望する留学生の在留資格変更申請は、例年1〜3月に申請が集中します。
その結果、書類不備や申請の遅れにより4月1日の就労開始日に間に合わないケースが発生しています。

そのため、…
  • 内定者へは12月1日〜1月末までの申請を推奨する
  • 申請書類は企業側の書類(雇用契約書、活動内容説明書等)が遅れやすいため、社内で早めに準備
  • 書類不備は審査遅延の主要原因となるため、一覧表を基に事前確認する体制を整備する ことが肝要です


2025年12月1日から書類の省略対象が拡大(要チェック)

従来は企業のカテゴリー(1〜4)に応じて必要書類の省略が可能でしたが、2025年12月1日以降、新たに以下の場合も省略可能になります。

書類省略が可能となる3つのケース
(1) 日本の大学・大学院・短期大学の卒業(予定)者

新卒採用の大半が対象となり、書類作成の負担が大幅に軽減されます。

(2) 海外の優秀大学卒業者

QS/THE/ARWU の3つの世界大学ランキングのうち2つ以上で上位300位の大学出身者が対象。

(3) 留学から就労へ変更し、かつ在留更新を受けて働いている社員がいる企業

既に外国人社員が実績として在留更新を受けている企業は、追加の信頼性が認められます。

※ただし派遣形態での雇用は対象外となりますので注意してください。

実務での対応
  • 書類省略を希望する場合は、指定の「説明書」を作成し申請書に添付する
  • 省略が認められる書類は、従来のカテゴリー2と同様
  • 必要に応じて出入管から追加提出を求められる可能性あり


在留カードの受取は「卒業証明書取得後」になる点に注意

審査完了の通知は卒業前に届くことがありますが、卒業証明書を取得するまでは在留カードを受け取れません

人事が注意すべき点
  • 内定者が卒業証明書を受け取り次第、早期に在留カードを受領するよう案内
  • 入社前の在留カードの有効性を必ず確認する
  • 指定日時の来庁指示があった場合は、その日時に従う必要がある


企業の人事が準備すべき書類のチェックポイント

在留資格「技術・人文知識・国際業務」へ変更する場合、企業側の書類は審査の重要ポイントとなります。

代表的な書類と注意点は以下のとおりです(ただし、省略可能)。

企業側書類のポイント
  • 会社概要資料(事業内容・沿革・財務状況が分かるもの)
  • 雇用契約書(実際の労働条件と一致させる)
  • 活動内容説明書(学んだ内容と職務内容の関連性を明確に)
  • 勤務場所の明示(派遣の場合は注意:省略対象外)


まとめ:人事は「早期準備」と「情報アップデート」が採用成功の鍵

外国人留学生の在留資格変更申請は、時期や書類管理によって結果が左右されます。
特に2025年12月以降は書類省略の要件が緩和され、企業側の負担軽減が期待できますが、正確な制度理解と適切な書類管理が不可欠です。

採用計画を滞りなく進めるためにも、以下を徹底してください。

  • 年度末に向けた早期申請(12月〜1月)
  • 内定者・社内担当者への書類準備スケジュール管理
  • 制度変更点の定期的なアップデート

必要に応じて、制度解説資料や申請書作成のサポートも提供できますので、お気軽にご相談ください。