ビザジャーナル

2026-03-26

【2027年4月スタート】育成就労制度とは?運用要領から読み解く「技能実習」との違いとポイント


日本国内の深刻な人手不足を背景に、これまでの「技能実習制度」が幕を閉じ、2027年4月から新たに「育成就労制度」がスタートします。

「結局、何が変わるの?」「うちの会社はどう準備すればいい?」とお悩みの担当者様も多いはず。今回は、令和8年2月に発表された「運用要領」をベースに、重要ポイントをわかりやすく解説します。


制度の目的が「国際貢献」から「人材確保・育成」へ

これまでの技能実習は「技術を母国に持ち帰ってもらう(国際貢献)」という建前がありましたが、育成就労制度は「日本で長く働いてもらうための人材育成と確保」を正面から目的としています。
最大の特徴は、3年間の就労を通じて、在留資格「特定技能1号」の水準までスキルアップさせるという明確なロードマップがあることです。


現場が知っておくべき「3つの大きな変更点」

① 「本人意向の転籍(職場変更)」が可能に

技能実習では原則禁止されていた転籍が、以下の条件を満たせば認められます。

  • 同じ企業で1〜2年(分野により異なる)働いていること
  • 技能試験(初級等)と日本語試験(A1相当)に合格していること
  • 転籍先が一定の基準を満たす「優良な実施者」であること
    ※もちろん、ハラスメントや法令違反などの「やむを得ない事情」がある場合は即座に可能です。
② 報酬は「日本人と同等以上」が必須

育成就労外国人はあくまで「労働者」です。同じ業務に従事する日本人と比べて不当に低い賃金を設定することはできません。
また、技能の習得度合いに応じた昇給など、モチベーションを高める工夫も求められます。

③ 監理団体は「監理支援機関」へ

名称が変わるだけでなく、役割も強化されます。3か月に1回以上の監査、母国語での相談窓口設置、さらには「転籍」を希望する外国人へのキャリア支援などが義務付けられます。


受け入れ企業が準備すべき「3つのチェックリスト」

これから育成就労を始める、あるいは移行する企業様は、以下の準備が必要です。

  1. 役職者の選任と講習の受講
    • 「育成就労責任者」「育成就労指導員」「生活相談員」を選任する必要があります。
    • それぞれ3年ごとに「養成講習」を受講することが義務付けられています。
  2. 住環境の整備
    • 宿泊施設の基準が明確化されました。寝室は「1人当たり4.5平米以上」を確保し、私有物の収納設備(鍵付き)を設けるなどの配慮が必要です。
  3. 日本語学習のサポート
    • 3年間で特定技能1号レベル(A2相当)を目指すため、日本語講習(100時間以上)を受けさせるなどの措置を講じることが推奨されます。


厳格化された「禁止事項」と罰則

人権保護の観点から、以下の行為には厳しい罰則が科されます。

  • 強制労働: 暴行や脅迫による就労。
  • パスポート・在留カードの保管: 本人の同意があっても絶対NGです。
  • 外出・私生活の制限: 不当な門限や携帯電話の没収などは禁止です。
  • 違約金の設定: 「途中で辞めたら罰金」という契約は無効であり、罰則の対象です。


まとめ:選ばれる企業になるために

育成就労制度への移行は、単なる手続きの変更ではありません。
「外国人がキャリアを築ける環境をどう作るか」という、企業としての姿勢が問われるようになります。

転籍が自由化されるということは、魅力的な職場であれば長く働いてもらえますし、そうでなければ選ばれなくなってしまうということ。
今のうちから、教育体制や福利厚生を見直しておくことが、2027年以降の採用競争を勝ち抜く鍵となります。


今後のスケジュール

  • 令和9年(2027年)4月1日: 育成就労制度の本格施行。
  • 現行の技能実習生は、経過措置として一定期間そのまま在留可能です。

詳細な「分野別運用方針」や「具体的な申請書類」についてお困りの際は、お気軽に弊社までご相談ください!