ビザジャーナル
2025-12-25
令和8年1月施行 在留申請オンラインシステム改修の概要と実務対応のポイント

はじめに
出入国在留管理庁(入管庁)は、令和8年(2026年)1月に「在留申請オンラインシステム」及び「電子届出システム」の抜本的改修を実施することを正式に公表しました。
今回の改修は、これまでの利用者アンケート等で寄せられた多数の要望を反映し、利用者がより使いやすく効率的に申請できるよう設計された大規模なシステム刷新です。
本稿では、令和7年11月3日付で公表された最新情報をもとに、改修内容の全体像と、企業人事としての実務対応ポイントを体系的に解説します。
改修の背景と目的
在留申請オンラインシステムは導入以降、企業・所属機関・外国人本人によるオンライン申請の利便性向上を目的として運用されてきました。しかし、実際の利用現場からは「添付データ容量の不足」「入力途中の保存ができない」「紙申請との不整合」などの課題が指摘されており、今回の改修はこれらを一挙に解消するために実施されるものです。
改修後は、在留申請オンラインシステムと電子届出システムの統合的運用が進み、オンライン手続の完全デジタル化に向けた大きな一歩となります。
主な改修内容(共通部分)
(1)添付資料関連の改善
| 項目 | 現行 | 改修後 |
|---|---|---|
| 添付可能ファイル数 | 1ファイルのみ | 複数ファイルの添付が可能 |
| 添付可能データ容量 | 最大10MB | 合計25MBに拡大(顔写真含む) |
従来は提出資料を一つのPDFにまとめる必要がありましたが、改修後は複数資料の個別添付が可能となり、作業効率が大幅に向上します。
(2)申請入力の利便性向上
- 入力途中の一時保存機能を新設
入力途中のデータをCSVファイルとして一時保存し、後日アップロードして続きから再開可能になります。 - 紙の申請書と項目名・順序を統一
これまで異なっていたオンライン画面と紙書類の項目構成を一致させ、入力ミス防止と分かりやすさを改善。 - 金額単位の統一(円)
10千円/30万円などバラついていた単位を「円」に統一。 - エラー表示の改善
一括申請テンプレートで、エラー箇所の詳細が即座に確認できるようになり、修正作業が容易になります。
(3)申請内容の確認機能を追加
申請送信後に入力内容および添付資料を確認可能になります。
現行では送信後に閲覧できず、控えの保存が必須でしたが、改修後はオンライン上で確認でき、企業としての記録管理が容易になります。
(4)一括申請テンプレートの拡充
- 区分「T」(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)を新設
- 「資格外活動許可申請」「就労資格証明書交付申請」「再入国許可申請」を同時に行えるテンプレートを追加
これにより、同一外国人の複数申請を一括で処理できるようになり、企業の事務負担軽減が期待されます。
所属機関等(企業側)に関する変更点
(1)利用者IDの有効期間延長
- 現行:1年
- 改修後:3年(令和8年1月以降に新規申出・定期報告が承認された機関が対象)
これにより、毎年の更新業務が不要となり、安定的な運用が可能になります。
(2)利用申出・定期報告のオンライン化
従来は「窓口持参または郵送」のみでしたが、改修後はオンライン提出が可能になります。
企業側の事務負担軽減と処理期間の短縮が見込まれます。
外国人本人に関する変更点
(1)システム共通IDの導入
従来は在留申請オンラインシステムと電子届出システムで別々にIDを取得する必要がありましたが、改修後は同一IDで両システムを利用可能となります。
(※所属機関の職員については引き続き別IDが必要です。)
(2)マイナンバーカード認証の簡素化
ICカードリーダが不要となり、スマートフォンの「マイナポータルアプリ」による認証が可能になります。
これにより、より柔軟な環境での本人確認が実現します。
(ただし、申請操作は推奨デバイス〔PC等〕での利用が基本とされています。)
企業人事担当者が留意すべき実務対応
(1)過去申請データの保存
令和7年12月以前の申請案件は、改修後の画面で表示されなくなります(申請中案件を除く)。
したがって、改修前に「申請情報一覧画面」を印刷または保存し、申請履歴を自社で管理する必要があります。
(2)システム移行期の申請計画
12月〜1月にかけての申請は、システム切替による遅延・再提出リスクに注意が必要です。
在留期間満了が近い人材については、早期の申請準備を推奨します。
(3)内部フロー・権限管理の見直し
ID有効期間の延長に伴い、担当者異動時のID引継ぎルールを整備することが重要です。
また、一時保存機能の導入により複数担当者が同一案件に関与するケースが増えるため、操作権限や確認プロセスの明確化が求められます。
まとめ
令和8年1月の改修は、在留申請オンラインシステムの利便性を大幅に高めるものであり、企業の入管実務における業務効率化とデジタル化の進展が期待されます。
一方で、システム移行期には申請情報の消失や操作混乱のリスクも伴うため、
- 過去データの保全
- 新システム対応の社内ガイドライン整備
- 申請スケジュールの前倒し対応
を早急に進めておくことが肝要です。
出入国在留管理庁による新システム操作マニュアル(令和7年11月頃掲載予定)を確認しつつ、企業の外国人雇用管理体制をアップデートしていくことをお勧めします。