ビザジャーナル
2026-03-19
外国人入国者数が過去最高に―入管庁「令和7年速報値」を読み解く

出入国在留管理庁は、令和7年(2025年)における外国人入国者数及び日本人出国者数等についての速報値を公表しました。
今回の速報では、外国人入国者数・新規入国者数ともに過去最高を記録しており、コロナ禍からの回復を明確に示す内容となっています。
本記事では、速報のポイントと、直近数年の推移を簡潔に整理します。
外国人入国者数・新規入国者数はいずれも過去最高
今回公表された速報値の中核は、次の2点です。
- 外国人入国者数:
約4,243万人(前年比 約565万人増) - 外国人新規入国者数:
約3,918万人(前年比 約517万人増)
いずれも統計開始以来の過去最高となりました。
なお、ここでいう「外国人入国者数」は、
- 新規入国者
- 再入国者
の合計であり、「外国人新規入国者数」は、入国時に在留資格を受けて上陸した外国人を指します(観光客も含まれます)。
観光客やビジネス目的で初めて日本に入国する外国人の動向を把握する上で、特に重要な指標です。
直近3年でみる外国人新規入国者数の推移
速報値と確定統計を踏まえ、直近3年の新規入国者数を並べると次のとおりです。
- 令和5年(2023年):約 2,375万人
- 令和6年(2024年):約 3,402万人
- 令和7年(2025年):約 3,918万人
令和5年から令和7年までの3年間で、新規入国者数は約65%増加しており、単なる「回復」を超えて、コロナ前を大きく上回る水準に達していることが分かります。
どの国からの入国者が最も増えているのか(国籍別動向)
国籍・地域別にみると、増加の特徴は二つに分けられます。
(1)増加率が最も高い国
直近3年(令和5年→令和7年)の増加率でみると、
ロシアが最も高く、約3.6倍(+約360%)となっています。
ただし、母数が比較的小さい国では、増加率が大きく出やすい点には注意が必要です。
(2)増加人数が最も多い国
一方、実数(増加人数)でみると、中国からの新規入国者の増加が突出しています。
- 令和5年:約200万人
- 令和7年:約722万人
- 増加人数:約522万人
増加率・増加人数の両面を総合すると、量的な影響が最も大きいのは中国と評価するのが妥当でしょう。

「短期滞在」が圧倒的多数を占める点に注意
在留資格別にみると、外国人新規入国者の約98%は「短期滞在」です。
つまり、今回の急増は主として、
- 観光
- 短期商用
- 親族訪問
といった短期目的の入国増によるものです。
そのため、
- 在留外国人数
- 労働力人口
の増加と直ちに同義ではない点は、政策・実務上、冷静に区別して捉える必要があります。
まとめ―「量の回復」から「質の分析」へ
今回の入管速報から読み取れるポイントは、次のとおりです。
- 外国人入国者数・新規入国者数はいずれも過去最高
- 直近3年で新規入国者数は約1.65倍
- 国籍別では、
- 増加率最大:ロシア
- 増加人数最大:中国
- 増加の大部分は短期滞在目的
今後は、単なる「人数の増減」だけでなく、
- 在留資格別
- 中長期在留への移行
- 産業・地域への影響
といった質的な分析がより重要になってくると考えられます。
※本記事は、出入国在留管理庁が公表した「令和7年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(速報値)」等の統計資料に基づいて作成しています。