ビザジャーナル
2026-03-12
ウクライナ避難民の受入れ・支援の現状について(令和8年1月末時点)

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本では令和4年3月2日に総理が受入れを表明して以降、継続的にウクライナ避難民の受入れと支援が実施されています。
本記事では、最新の受入れ状況および在留資格・支援制度の概要を整理します。
受入れ人数の概要(速報値)
対象期間:令和4年3月2日~令和8年1月31日
◆ 総受入れ人数
2,868人
◆ 男女別内訳
- 男性:864人
- 女性:2,004人
女性の割合が約7割を占めており、家族単位での避難の実態がうかがえます。
◆ 年代別内訳
- 18歳未満:385人
- 18歳以上61歳未満:2,087人
- 61歳以上:396人
生産年齢人口が多数を占める一方で、未成年者および高齢者も一定数含まれています。
◆ その他の状況
- 入国時に身元引受先なし:473人
- 令和8年1月の新規入国者数:15人
- 令和8年1月31日時点の在留者数:1,967人
累計受入れ人数と在留者数に差があることから、帰国や第三国移動、在留資格変更などの動きもあると推察されます。
※本統計は、侵攻により避難を目的として令和4年3月2日以降にウクライナ又は第三国から入国した方を計上したものです。
補完的保護対象者認定制度による支援
日本では、従来の難民認定制度に加え、補完的保護対象者認定制度が令和5年12月1日より開始されました。
◆ 認定者数
- 令和5年:1人
- 令和6年:1,618人
※侵攻以前から在留していた者や避難以外の目的で入国した者も含まれます。
認定後の主な支援内容
(1)安定した在留資格
補完的保護対象者として認定された場合、原則として在留資格「定住者(5年)」への変更が可能です。
中長期的な在留の安定が図られています。
(2)定住支援プログラム
自立支援を目的とした体系的なプログラムが用意されています。
- 日本語教育:572時限(1時限45分)
- 生活ガイダンス:120時限
- ハローワークを中心とした就労支援
- 生活相談員による各種相談対応
- 情報提供(ハンドブック配布等)
- 宿泊施設の提供
- 生活支援
単なる滞在許可にとどまらず、社会統合を前提とした包括的支援が実施されている点が特徴です。
政府の体制
受入れは、関係省庁横断で組織的に行われています。
- ウクライナ避難民対策連絡調整会議
- 対応タスクフォース
- 法務省受入れ支援対策本部
- 出入国在留管理庁プロジェクトチーム
- 地方出入国在留管理官署の専任担当
制度整備と実務対応の両面から支援体制が構築されています。
在留資格からの視点
ウクライナ避難民支援に関しては、
- 在留資格「特定活動」からの変更
- 補完的保護対象者認定申請
- 定住者への変更手続
- 家族滞在や就労関係の在留手続
- 生活基盤整備に伴う各種行政手続
など、入管実務上の専門的対応が必要となる場面が多く存在します。
特に、制度開始以降は補完的保護対象者認定制度の活用が実務上重要となっています。制度趣旨・要件・立証資料の整理など、専門的判断が求められます。
まとめ
令和8年1月末時点で2,868人を受け入れ、現在も約2,000人が在留しています。
制度面では補完的保護対象者認定制度が本格運用され、安定した在留資格と定住支援体制が整備されました。
今後も情勢に応じて制度運用の動向を注視するとともに、適切な情報の収集が重要です。