ビザジャーナル
2026-07-16
在留資格が取り消されることもあるの?

外国人雇用で企業が知っておきたい在留資格取消制度
外国人を雇用する場合、企業側は、採用時に在留カードや在留資格を確認する必要があります。
もっとも、在留資格は、一度許可されれば必ず在留期限まで有効に維持される、というものではありません。
出入国在留管理庁は、外国人が偽りその他不正の手段により上陸許可等を受けた場合や、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行っていない場合などには、在留資格を取り消すことができるとしています。
企業としては、在留資格取消制度の内容をすべて細かく把握する必要はありませんが、外国人社員・アルバイトの雇用管理に関係するポイントは押さえておく必要があります。
在留資格の取消しとは
在留資格の取消しとは、日本に在留する外国人について、一定の取消事由が判明した場合に、その外国人が有する在留資格を取り消す制度です。
取消事由としては、例えば、次のようなものがあります。
- 偽りその他不正の手段により上陸許可等を受けた場合
- 本来行う活動を偽って上陸許可等を受けた場合
- 虚偽の書類を提出して上陸許可等を受けた場合
- 在留資格に係る活動を行わず、他の活動を行っている場合
- 在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合
- 住居地の届出をしない場合
- 虚偽の住居地を届け出た場合
たとえば、実際には単純労働を行う予定であるにもかかわらず、「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動を行うとして申請し、許可を受けたような場合には、問題となる可能性があります。
なお、在留資格の取消しは、不法就労そのものを取り締まる制度ではありません。
不法就労は、就労できない在留資格・許可のない状態で働く場合や、許可された範囲を超えて働く場合に問題となるものです。これに対し、在留資格の取消しは、不正に在留資格を取得した場合や、許可された在留資格に対応する本来の活動を行っていない場合などに、その在留資格を取り消す制度です。
企業が特に注意すべきケース
企業の人事担当者が特に注意すべきなのは、外国人が「許可された在留資格に対応する活動」を実際に行っているかどうかです。これは、上述した不法就労の問題も絡んできます。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用した外国人について、実際には専門的・技術的な業務ではなく、単純作業や現場作業を中心に従事させている場合、「罰せられる」「退去強制の対象となり得る」「在留資格取消し・更新不許可等につながり得る」可能性があります。
また、「留学」の在留資格で在留している外国人が、学校に通わず、実質的にアルバイト中心の生活になっている場合にも、本来の活動を行っていないとして問題となる可能性があります。
企業側としては、採用時だけでなく、雇用後も、実際の業務内容が在留資格と大きくずれていないかを確認することが重要です。
「3か月以上活動していない場合」にも注意
出入国在留管理庁の説明では、入管法別表第1の在留資格をもって在留する外国人が、その在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合、在留資格取消しの対象となり得るとされています。
ここでいう入管法別表第1の在留資格には、「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「特定技能」「技能実習」「留学」「家族滞在」などが含まれます。
たとえば、外国人社員が退職した後、就労活動を行わないまま長期間在留している場合や、留学生が学校を退学した後、留学生としての活動を行わないまま在留している場合には、注意が必要です。
もっとも、活動を行っていないことについて正当な理由がある場合には、取消しの対象から除かれる場合があります。
企業が行うべき雇用管理
在留資格取消制度は、直接には外国人本人の在留資格に関する制度です。
しかし、企業が外国人を雇用する場合には、在留資格と実際の業務内容が合っているかを確認することが重要です。
企業側では、少なくとも次のような管理を行うことが望ましいです。
- 採用時に在留カードを確認する
- 在留資格と在留期間を確認する
- 従事予定の業務が在留資格に合っているか確認する
- 雇用契約書・職務内容説明書等に業務内容を明確に記載する
- 配置転換や職務変更を行う場合、在留資格との関係を確認する
- 退職・休職・長期欠勤が生じた場合、在留資格上の影響に注意するか確認する
- 留学生アルバイトについては、学校への在籍状況や資格外活動許可の有無を確認する
特に、外国人社員について、採用時の説明と実際の業務内容が異なる場合には注意が必要です。
「申請上は専門職だが、実際には現場作業中心になっている」という状態は、在留資格との関係で問題となり得ます。
まとめ
在留資格は、一度許可されたら必ず維持されるものではありません。
不正な申請により許可を受けた場合や、在留資格に基づく本来の活動を行っていない場合などには、在留資格が取り消されることがあります。
企業が外国人を雇用する際には、採用時に在留カードを確認するだけでなく、実際の業務内容が在留資格に合っているか、雇用後も確認することが重要です。
特に、技術・人文知識・国際業務、特定技能、留学などの在留資格では、「どのような活動が認められているか」を踏まえた雇用管理が必要です。
外国人雇用では、採用時の確認、雇用中の業務管理、配置転換時の確認をセットで行うことが、企業側のリスクを避けるうえで重要です。