ビザジャーナル

2025-12-11

在留資格「経営・管理」に日本語能力が必要?―新基準の内容と求められるレベルとは


2025年から、在留資格「経営・管理」の認定に新たな基準が加わりました。
それは、「申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有すること」です。

この記事では、この「相当程度の日本語能力」とはどのくらいのレベルを指すのか、そしてどのように証明すればよいのかを、分かりやすく解説します。


Q1:どの程度の日本語能力が求められるのですか?

A:文化庁が示す「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上の日本語能力が求められます。

この「B2相当」とは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のB2に対応するレベルであり、「日本語を使って社会生活やビジネス上のやり取りを自立して行える程度」の能力を意味します。

Q2:「B2相当」って、具体的にどんなレベルですか?

A:B2レベルは、中上級レベルの日本語運用能力を示します。文化庁の「日本語教育の参照枠」では、次のように定義されています。

B2レベルのCan do(例)

  • 日常生活や職場で発生する多くの状況に適切に対応できる。
  • 自分の専門分野や関心のあるテーマについて、明確かつ詳細に説明できる。
  • 日本人との会話でも誤解なく意思疎通ができ、議論や交渉もある程度こなせる。
https://www.nihongo-ews.mext.go.jp/information/framework_of_reference

つまり、「日本語を使って事業を運営・管理する上で支障がない程度」の力が必要です。
ビジネスの実務や役所手続、取引先との打合せなどで日本語が使える水準が想定されています。

Q3:どのように日本語能力を証明すればよいですか?

外国人経営者や職員の場合、以下のいずれかの方法で日本語能力を証明できます。

試験による証明
  • 日本語能力試験(JLPT)N2以上の認定を受けていること
  • BJTビジネス日本語能力テスト400点以上を取得していること
経歴による証明
  • 日本に20年以上在留していること
  • 日本の大学・専門学校を卒業していること
  • 日本の義務教育を修了し、高校を卒業していること

これらの場合は、合格証明書、卒業証明書、住民票等を提出して証明します。

Q4:経営者本人が日本語を話せなくても大丈夫ですか?

はい。「申請者または常勤職員のいずれか」が条件を満たしていればよいとされています。
つまり、経営者本人が外国語話者であっても、常勤の日本人スタッフや日本語堪能な社員がいる場合は認められる可能性があります。

ただし、申請書(所属機関作成用1)の「日本語能力の有無及びその内容」欄には、「経営者がN2認定を受けている」「日本人社員を雇用している」など、具体的な内容を明記する必要があります。

Q5:「日本語教育の参照枠」って何ですか?

「日本語教育の参照枠」は、文部科学省が策定した日本語能力の共通基準です。
日本語を6段階(A1〜C2)に分け、それぞれのレベルで「どんなことが日本語でできるか(Can do)」を示しています。

この枠組みにより、日本語力を試験の点数ではなく、実際の行動や能力で評価できるようになりました。

Q6:なぜ日本語能力が基準に追加されたのですか?

これまで「経営・管理」の在留資格では、形式的に会社を設立しても、日本語が全くできず事業が実態を伴わないケースが問題視されていました。

そのため、入管庁は、「経営者が実際に日本で事業を運営できるか」を判断する一要素として、日本語能力を基準に加えたのです。これは「実質的な経営活動の確保」を目的としています。

まとめ ― 経営者には“実務レベルの日本語力”が必要に

在留資格「経営・管理」の新基準では、形式的な会社設立だけでなく、日本語でのコミュニケーション能力も重要な審査ポイントになります。

ポイントまとめ

  • 求められる日本語力は「日本語教育の参照枠」B2相当(JLPT N2程度)
  • 経営者本人または常勤職員のいずれかが条件を満たせばOK
  • 証明は試験合格証、卒業証、在留記録などで可能
  • 実際に日本で事業を運営できる体制を整えておくことが重要