ビザジャーナル
2026-04-30
在留資格取消件数が過去最高に――企業が見直すべき外国人雇用管理

出入国在留管理庁は、令和8年3月27日、令和7年の在留資格取消件数が1,446件となり、前年の1,184件から22.1%増加し、過去最高となったと公表しました。
外国人を雇用する企業にとって、この公表で重要なのは、取消しの多くが在留資格取得時の不正だけでなく、在留中の活動実態の不一致を理由としている点です。
採用時の確認だけでなく、採用後の管理体制がより重要になっているといえます。
取消しが多い在留資格
令和7年の取消件数を在留資格別にみると、技能実習973件(67.3%)、留学343件(23.7%)、技術・人文知識・国際業務63件(4.4%)の順でした。
特に、技能実習と留学で全体の約9割を占めています。
企業実務の観点では、受入れ後に本来の在留活動と実態がずれていないかを継続的に確認する必要があります。
最も多い取消事由は「活動実態がないこと」
取消事由別では、第6号が999件(69.1%)で最も多く、次いで第5号が350件(24.2%)でした。
第6号は、在留資格に応じた活動を正当な理由なく3か月以上行わないで在留している場合です。
第5号は、本来の活動をせず、他の活動を行い又は行おうとして在留している場合です。
つまり、今回の統計は、虚偽申請よりも、受入れ後に在留資格と活動実態が一致しなくなったケースが中心であることを示しています。
企業が注意すべきポイント
企業としては、次の点を見直しておきたいところです。
- 在留資格と実際の業務内容が一致しているか
- 退職、長期欠勤、配属変更があった際に在留資格への影響を確認しているか
- 留学生アルバイトについて、資格外活動許可だけでなく在学実態も意識しているか
- 採用時に学歴・職歴・職務内容の整合性を十分確認しているか
- 現場と人事・総務の間で外国人雇用情報が共有されているか
特に、「採用時は問題なかったが、その後の実態が変わった」というケースは見落とされやすく、注意が必要です。
取消しに至らないケースもある
資料では、取消手続が開始されたものの、手続中に出国したため取消処分に至らず終止した件数も593件あったとされています。
この点からも、表に出ている取消件数以上に、在留管理上の問題が実務上把握されていることが分かります。
まとめ
今回の公表から見えてくるのは、外国人雇用において重要なのは、採用時の確認だけではないということです。
今後は、在留資格と実際の業務・所属状況が継続的に一致しているかを確認する体制づくりが、これまで以上に重要になります。
外国人雇用を進める企業ほど、在留資格管理を単なる書類確認ではなく、雇用管理・内部統制の一部として捉える必要があるでしょう。