ビザジャーナル

2026-04-23

「技人国」の申請実務が変わりました


人事担当者が押さえておきたい2つのポイント

外国人採用に関わる企業の人事担当者の方にとって、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる「技人国」)の申請実務は、制度改正や運用変更の影響を受けやすい分野です。

今回、出入国在留管理庁の公表内容では、2026年4月15日以降の申請から、カテゴリー3または4に該当する場合の追加提出書類が明示されました。
あわせて、実務上見落としやすい点として、変更申請でのカテゴリー2に該当する企業の類型が追加されたことも確認しておきたいところです。

企業の人事担当者としては、単に必要書類を集めるだけではなく、申請類型ごとに何が変わったのか、どこを見落としやすいのかを整理しておくことが重要です。

本記事では、2026年4月15日以降の実務対応として、特に押さえておきたい2つのポイントを解説します。

カテゴリー3・4では追加提出書類が必要に

出入国在留管理庁の公表では、令和8年4月15日以降の申請から、カテゴリー3または4に該当する場合、追加で提出が必要となる書類が示されています。具体的には、次の2点です。

  • 所属機関の代表者に関する申告書
  • 主に言語能力を用いて対人業務等に従事する場合に、業務上使用する言語についてCEFR・B2相当の言語能力を有することを証する資料

ここで実務上特に重要なのは、2つ目の言語能力に関する資料です。

公表内容では、「翻訳・通訳」やホテルフロント業務等の「接客」のように、日本語能力等の言語能力を用いた業務に主に従事する場合には、この資料の提出が必要になるとされています。
認定申請および変更申請においてこうした職種に従事する場合はもちろん、すでに在留中の方についても、業務内容の変更や転職等により、言語能力を用いた業務に主に従事することとなった場合には、更新申請時に提出が必要になるとされています。

つまり、人事担当者としては、単に職種名を見るのではなく、実際の業務内容の中で、言語能力を主たる業務要素として使うかどうかを見なければなりません。

たとえば、同じ「営業」や「接客補助」といった肩書でも、

  • 日本語での顧客対応が中心なのか
  • 翻訳・通訳が中核業務なのか
  • 外国語を用いた渉外業務の主要部分なのか

によって、必要となる資料の有無に影響し得ます。

なお、公表内容では、CEFR・B2相当の日本語能力を有するものとみなす基準も示されています。
具体的には、たとえばJLPT・N2以上BJTビジネス日本語能力テスト400点以上日本の大学卒業などが例示されています。
したがって、採用時点で候補者の学歴・資格を確認しておくことは、申請準備の効率化にもつながります。

もっとも、更新申請については、以前から継続して同様の業務内容に従事している場合は提出を要しないとされています。
ただし、審査の中で必要に応じて提出を求められることがあるため、完全に不要と即断するのではなく、説明可能な状態にしておくことが望ましいでしょう。


変更申請では、カテゴリー2の類型が追加された

今回の実務対応では、追加提出書類の話に注目が集まりやすいのですが、もう一つ重要なのが、変更申請ではカテゴリー2の類型が追加されたという点です。

「技人国」の申請では、受入機関等の属性に応じてカテゴリー1から4までに区分されます。
一般に、カテゴリーが上位であるほど提出書類が簡素化されるため、自社がどのカテゴリーに当たるかは、申請準備に直結します。

ここで注意したいのは、認定申請・更新申請のカテゴリー2と、変更申請のカテゴリー2は、完全には同じではないということです。

認定申請・更新申請のカテゴリー2

認定申請と更新申請のカテゴリー2は、基本的に企業側の属性に基づく区分であり、次のような機関がカテゴリー2とされています。

  • 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
  • カテゴリー2と同様の添付資料で申請を行うことを希望し、カテゴリー審査資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関

つまり、認定・更新では、主として企業側の規模や税額実績、承認の有無によってカテゴリー2の該当性が決まります。

変更申請のカテゴリー2

これに対して、変更申請のカテゴリー2には、上記に加えて、「留学」からの変更に関する類型が追加されました。
公表内容では、変更申請について、次のような者を受け入れる場合もカテゴリー2に含まれています。

  • 本邦の大学院、大学又は短大卒業(予定)者
  • 海外の優秀大学卒業者
  • 「留学」から就労資格に変更して就労し、その後当該所属機関において在留期間更新した者を現に受け入れている機関において就労する者

ここから分かるのは、変更申請では、会社そのものの属性だけでなく、申請人の学歴や、会社の留学生受入れ・継続雇用の実績も、カテゴリー2の判断に関係するということです。

人事担当者としては、認定申請や更新申請と同じ感覚で「自社はカテゴリー2ではない」と判断してしまうと、変更申請特有の整理を見落とすおそれがあります。
特に、留学生の新卒採用や、過去に留学生を採用して継続雇用している企業では、変更申請のカテゴリー2該当性を個別に確認する必要があります。


人事担当者が実務で確認すべきポイント

2026年4月15日以降の「技人国」申請では、企業の人事担当者として、少なくとも次の点を採用・申請準備の段階で確認しておくと実務が安定します。

① まず申請類型を確認する

今回の申請が、認定申請なのか、変更申請なのか、更新申請なのかで、見方が変わります。
カテゴリー2の判断も、追加資料の要否も、申請類型によって整理が異なります。

② カテゴリー3・4に当たる場合は、追加資料の要否を早めに確認する

カテゴリー3・4に該当する場合は、2026年4月15日以降、代表者に関する申告書や、場合によっては言語能力資料の提出が必要です。
採用決定後に慌てて準備するのではなく、求人票や業務設計の段階から確認しておくのが望ましいでしょう。

③ 「言語能力を主に用いる業務か」を、職種名ではなく実態で判断する

「接客」「通訳」「翻訳」「フロント業務」などは分かりやすい例ですが、実務では肩書だけで判断できないこともあります。
その仕事で、どの言語を、どの程度、どの場面で使うのかまで整理しておく必要があります。

④ 変更申請では、会社属性だけでなく申請人属性も確認する

留学生採用では、日本の大学等の卒業者・卒業予定者に当たるか、また、自社に留学から就労資格へ変更し、その後更新許可まで受けた外国人材を現に受け入れているかといった点が、カテゴリー2の該当判断に関係することがあります。


まとめ

2026年4月15日以降の「技人国」申請実務では、企業の人事担当者として特に次の2点を押さえておく必要があります。

  1. カテゴリー3・4では追加提出書類が必要になったこと
    とりわけ、言語能力を用いて対人業務等に主に従事する場合には、言語能力を示す資料の要否を慎重に確認する必要があります。
  2. 変更申請ではカテゴリー2の類型が追加されたこと
    認定申請・更新申請と同じ感覚で判断するのではなく、申請人の学歴や、自社の留学生受入れ実績も含めて確認する必要がある点に注意が必要です。

人事実務では、必要書類の収集だけが申請準備ではありません。
「どの申請類型か」「どのカテゴリーか」「追加資料が必要か」を最初に整理することが、結果としてスムーズな採用・申請対応につながります。

弊社では、外国人受け入れに際しての入管申請手続きのサポートを行っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。