ビザジャーナル

2026-05-28

在留資格変更・更新、永住許可等の申請手数料の上限額が引き上げられます


在留資格に関する各種申請について、手数料の上限額を引き上げる入管法改正が行われました。
今回の改正は、外国人本人や、外国人材を雇用している企業にとって、今後の在留手続の費用負担に影響する可能性があります。

ただし、今回の改正については、「法律上の上限額が引き上げられた」という点と、「実際に申請時に納付する手数料額がいくらになるか」という点を分けて理解する必要があります。


改正の概要

今回の改正により、主な在留関係手続について、法律上の手数料上限額が次のとおり引き上げられます。

手続改正後の法律上の上限額
在留資格変更許可10万円
在留期間更新許可10万円
永住許可30万円
再入国許可1万円

特に、在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可は、就労系の在留資格で日本に在留する外国人や、その雇用企業にとって関係の深い手続です。

そのため、今後、外国人材を雇用している企業では、在留期間更新や在留資格変更の際の費用負担について、本人負担とするのか、会社負担とするのかを含めて、社内の運用を確認しておくことが望ましいといえます。


直ちに「更新・変更が10万円」「永住が30万円」になるわけではありません

今回の改正で注意すべき点は、法律上の上限額が引き上げられたからといって、直ちに全ての申請で上限額そのものを納付しなければならないわけではない、という点です。

入管法上、実際の手数料額は、法律で定められた上限額の範囲内で、政令により定められる仕組みとなっています。

したがって、例えば、在留資格変更許可や在留期間更新許可について、法律上の上限額は10万円になりますが、実際に申請時に納付する金額が必ず10万円になるという意味ではありません。
同様に、永住許可についても、法律上の上限額は30万円になりますが、実際の納付額は、今後定められる政令の内容を確認する必要があります。


現在の手数料との関係

在留関係手続の手数料については、2025年4月1日から既に改定が行われています。

例えば、在留資格変更許可や在留期間更新許可については、申請方法により手数料額が異なり、窓口申請とオンライン申請で異なる金額が定められています。

今回の法改正は、このような現行の具体的な手数料額そのものを直ちに変更するというよりも、今後、政令で定めることができる手数料額の上限を引き上げるものです。

そのため、現時点では、「在留資格変更・更新や永住許可の手数料について、法律上の上限額が大幅に引き上げられた。もっとも、実際に申請時に納付する金額は、今後、政令により定められる。」と理解しておくことが重要です。


施行時期にも注意が必要です

改正法では、手数料上限額の引上げに関する規定について、令和9年3月31日までの間において政令で定める日から施行されるものとされています。

また、施行日前にされた在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、永住許可申請等については、経過措置により、従前の例によるものとされています。

そのため、実務上は、単に「いつ許可されたか」だけでなく、「いつ申請を受け付けられたか」も重要になる可能性があります。


企業が確認しておきたいポイント

外国人材を雇用している企業では、今後の手数料改定に備えて、少なくとも次の点を確認しておくことが考えられます。

① 申請手数料の負担者

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請の手数料について、本人が負担するのか、会社が負担するのかを確認しておく必要があります。

会社が負担している場合には、社内規程、雇用契約書、外国人材受入れに関する運用ルール等との整合性も確認しておくと安心です。

② 更新時期の管理

在留期間更新許可申請は、在留期限が近づいてから準備を始めると、書類収集や社内確認に時間を要することがあります。
今後、手数料額の変更が予定される場合には、申請時期によって費用負担が変わる可能性もありますので、在留期限の管理をより早めに行うことが重要です。

③ 永住許可申請の検討

永住許可については、法律上の上限額が30万円に引き上げられます。

実際の手数料額は今後の政令を確認する必要がありますが、永住許可申請を検討している方が社内にいる場合、申請要件の確認、必要書類の準備、申請時期の検討を早めに進めておくようアドバイスすることが望ましいといえます。


まとめ

今回の改正により、在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可等の申請手数料について、法律上の上限額が引き上げられます。

もっとも、現時点で重要なのは、「上限額が引き上げられたこと」と「実際の納付額は今後政令で定められること」を分けて理解することです。
外国人本人や外国人材を雇用する企業としては、今後公表される具体的な手数料額や施行日を確認しつつ、申請時期、費用負担、社内ルールの見直しを進めておくことが重要です。